睡眠時間と糖尿病の関係について

糖尿病の怖い合併症
糖尿病の主な原因は、肥満や運動不足などの生活習慣や遺伝的要因です。
しかしながら、近年の研究で睡眠不足・寝不足が糖尿病の発症に関与していることが指摘されています。
そこで今回は、睡眠時間と糖尿病の関係について、ご紹介したいと思います。

睡眠不足でインスリンの分泌が減少

糖尿病は、何らかの原因で体内のインスリンが不足して、血糖値が下がらずに高血糖状態が続く病気です。
睡眠不足が続くと、循環器や呼吸器などの生命維持に必要な機能をコントロールしている自律神経が乱れてしまいます。
そして自律神経は、生体の維持に必要な生理活性物質であるホルモンの分泌にも関与していますので、睡眠不足が続くとホルモンバランスが崩れます。
すると、睡眠不足は血糖値を下げる働きをするホルモンであるインスリンの分泌にも影響して、インスリンの分泌量が減少してしまうのです。

睡眠不足でインスリンの血糖値降下作用も低下

睡眠不足では、自律神経のうち交感神経が優位となる傾向にあります。
交感神経は覚醒時や興奮時に優位になりやすく、交感神経が優位になると血糖値を上昇させる働きをするホルモン(グルカゴン、アドレナリン、成長ホルモン、コルチゾール)の分泌量が増えます。
これらの血糖値を上昇させるホルモンは、インスリンと反対の作用を持つのでインスリン拮抗ホルモンと呼ばれ、インスリンの血糖値降下作用を打ち消す働きをします。
ですから睡眠不足が続くと、インスリンの分泌量が減少し、インスリン拮抗ホルモンがインスリンの働きを打ち消すので、血糖値が下がらずに高血糖状態になりやすいのです。

睡眠不足だと過食になる

睡眠不足による自律神経の乱れは、ホルモンバランスの乱れにつながることは前述しました。
実は、食欲を抑制するホルモン(レプチン)と食欲を増進するホルモン(グレリン)のバランスも、睡眠不足によって乱されてしまうのです。
睡眠不足に陥ると、食欲を抑制するホルモン(レプチン)の分泌が少なくなり、食欲を増進するホルモン(グレリン)の分泌が多くなります。
その結果、睡眠不足の人は過食傾向となりやすく、肥満につながります。
肥満は糖尿病の主な原因の一つですから、睡眠不足による過食は糖尿病の間接的な原因と言うことができるのです。

睡眠不足は直接的にも間接的にも糖尿病につながります

ここまでご紹介してきたように、睡眠不足は体内のインスリン不足を招きますので糖尿病の直接的な原因となる可能性があります。
また、睡眠不足による過食は、糖尿病の主な原因である肥満を招くという意味で、糖尿病の間接的原因と言えます。
ですから、睡眠不足は二重の意味で糖尿病に関与しているのです。

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